「ねえミヤサン、もし僕たちの家族が認知症になったら、どこに相談すればいいんだろう?」
ある日の午後、夫のトミーが真剣な顔で聞いてきました。
わたしは富谷市で生まれ育ったので、市役所や社会福祉協議会が頼りになることを知っています。でも、こうした問題に初めて直面する人にとっては、どこから手をつけていいか分からなくなりますよね。
わたしたち家族は、アメリカ出身の夫トミーと、わたし「みや」。そして、しっかり者の長女ひより(小5)、わんぱくな次男カイ(小1)、甘えん坊の三男リク(3歳)の5人で富谷市に暮らしています。
この街での生活も長くなり、ご近所付き合いなどを通して、高齢化や認知症の話題が身近に感じられるようになってきました。
実際、先日は近所の田中おばあちゃんが「最近、財布をどこに置いたか分からなくなることが増えて…」と相談してきました。
こんな身近な不安から、本格的な介護まで、認知症には段階があり、それぞれに適した支援が必要なんですよね。
いざという時に慌てないためにも、どんな支援があるのかを知っておくだけで、心の負担は軽くなるはずです。
今回は、「富谷市で利用できる認知症の相談・支援・医療体制」について、それぞれの特徴を比較しながら整理してみました。
この記事が、あなたやあなたの大切な家族にとって、安心できる道しるべになれば嬉しいです。
富谷市での認知症支援の選び方
いざ支援を探そうと思っても、選択肢が多くて迷ってしまいますよね。そんなときは、まず「相談のしやすさ」と「利用のしやすさ」を軸に考えてみるのがおすすめです。
富谷市には、専門医による「もの忘れ相談」や、社会福祉協議会が行う「日常生活の支援」、地域で支えるための「認知症サポーター養成講座」など、様々なサポートが用意されています。
それぞれ料金や利用条件、相談できる回数などが違うため、自分や家族がいまどんな状況にあり、何を求めているのかに合わせて選ぶことが大切です。
たとえば、「専門医によるもの忘れ相談」は無料で安心感がありますが、月に1回・予約制なので、早めに連絡する必要があります。一方で、社会福祉協議会の支援は、お金の管理といった実務的な手伝いをしてもらえますが、月額料金がかかります。
まずは全体像を知って、最適なサポートを見つけていきましょう。

Wow! いろんなサポートがあるんだね。でも、どれを選べばいいか、やっぱり迷いそうだなぁ。



そうだね。だからこそ、まずは「誰に」「何を」相談したいのかを考えるのが第一歩だよ。専門的なアドバイスが欲しいのか、日々の生活の手伝いが必要なのかで、頼るべき場所も変わってくるからね。
富谷市の認知症サポート主要サービス比較
それでは、富谷市で利用できる主なサポートを具体的に見ていきましょう。それぞれの特徴を整理しました。
1. 専門医によるもの忘れ相談(市主催)
認知症かもしれない、と最初に不安を感じたときに頼りになるのが、市が主催する無料の専門医相談です。
料金:無料
頻度:月1回(要予約)
認知症専門のお医者さんに、無料で直接相談できます。早期発見や治療方針の相談、家族へのアドバイスをもらうのに最適です。
メリット:専門医に直接、無料で相談できるので安心感が大きいです。認知症の初期段階での確認や、今後の方向性を考える上で最適な窓口と言えるでしょう。
デメリット:開催が月1回と限られており、予約制のため枠がすぐに埋まってしまう可能性があります。希望する場合は、早めの問い合わせが欠かせません。
2. 富谷市社会福祉協議会「まもりーぶ」
日々の暮らしの中での「困った」を具体的にサポートしてくれるのが、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業「まもりーぶ」です。
料金:月額700円〜
対象:判断能力に不安がある方
お金の管理や大切な書類の保管、福祉サービス利用の手続きなどを手伝ってくれる心強いサービスです。
詳しくはこちらの記事からご覧ください:富谷市の「まもりーぶ」は認知症の備えになる?家族が知っておきたい金銭管理サポート
メリット:金銭管理や大切な書類の保管、行政手続きの代行など、生活に密着した実務的な支援を受けられます。家族だけで抱えがちな負担を大きく軽減してくれます。
デメリット:相談は無料ですが、実際の支援には契約料と利用料(月700円+サービスごとの追加料金)が発生します。
3. 認知症サポーター養成講座
本人や家族だけでなく、地域全体で認知症への理解を深めようという取り組みです。市民なら誰でも無料で参加できます。
料金:無料
対象:市民なら誰でも
認知症について正しく学び、地域で見守る「応援者」になるための講座。参加するとサポーターの証である「オレンジリング」がもらえます。
メリット:認知症の正しい知識を学び、当事者や家族を温かく見守る応援者を増やすことが目的です。家族が参加すれば孤立を防ぐきっかけになりますし、地域全体の支え合いにつながります。
デメリット:講座の日程が不定期なため、参加したい場合は市の広報や公式サイトでこまめに情報をチェックする必要があります。
4. 認知症家族の会(市内開催)
同じ悩みを抱える家族同士が集まり、情報交換や交流ができる貴重な場です。
料金:無料
頻度:月1回
同じ悩みを持つ家族が集まり、情報交換をしたり、お互いに支え合ったりする交流の場です。
名称 | 会場・担当圏域 | 開催日時 | 備考・連絡先 |
---|---|---|---|
認知症の人と家族の会 | 保健福祉総合支援センター | 原則 第3水曜 10:15〜12:00 | 富谷市 保健福祉総合支援センター |
暖々の会 | 富ケ丘・日吉台圏域 地域包括支援センター | 毎月 第4金曜 10:00〜11:30 | 偶数月:当事者の集い、奇数月:どなたでも参加可 |
ひまわりカフェ | みやぎ生協 明石台集会室(東向陽台・成田圏域担当) | 毎月 第3金曜 13:30〜15:00 | |
あけぼのカフェ | あけの平公民館(富谷中央・あけの平圏域) | 毎月 第4水曜 10:00〜11:30 | |
とみやひまわりカフェ | 不定期(要問い合わせ) | — | 「認知症を考えるカフェ」名称で案内あり |
わかばカフェ | 富谷中央・あけの平圏域 | 年4回(6・9・12・3月) | ミニ講話+お茶を飲みながら語り合う場 |
旅するケアカフェ in 富谷市 | — | — | 認知症・介護家族向け「誰もが気軽に立ち寄れる」集いの場として企画あり |
メリット:日々の介護の悩みや不安を共有し、共感しあえる仲間と出会えます。「一人じゃない」と感じられることが、何よりの心の支えになります。
デメリット:会の存在自体がまだあまり知られておらず、参加したくても情報にたどり着けないケースがあります。
5. 市内老人ホーム・介護施設(約14件)
自宅での生活が難しくなった場合の選択肢として、富谷市内には有料老人ホームやグループホームなどの介護施設が約14件あります。
選択肢:約14施設
種類:グループホーム、有料老人ホームなど
自宅での生活が難しくなった場合に、専門的なケアを受けられる施設です。
メリット:看護師が常駐していたり、医療機関との連携が整っていたりと、専門的なケアを受けられる施設もあります。
デメリット:施設によって費用やサービス内容、雰囲気などが大きく異なります。入居を決める前には、必ず複数の施設を見学し、比較検討することが重要です。
これらの支援は、それぞれ役割が異なります。どれか一つを選ぶというより、状況に応じて組み合わせて利用するのが富谷市流です。
【段階別】最適な相談先チャート
認知症の心配や困りごとは、時間と共に変化していきます。どの段階で、どこに相談するのがベストなのか、チャートにしてみました。
🔵 初期段階「もしかして認知症?」
- 症状の例:もの忘れが気になる、同じ話を繰り返す、日付を間違える
- おすすめの相談先:
- 専門医によるもの忘れ相談(最優先)
- かかりつけ医への相談
- 認知症サポーター養成講座で知識を得る
この段階では、まず専門家の意見を聞くことが大切。市の無料相談は診断ではないので、「病院はちょっと…」とためらっている方でも利用しやすいのが嬉しいポイントです。
🟡 中期段階「日常生活に支障が出てきた」
- 症状の例:お金の管理ができない、大事な書類をなくす、一人での外出が心配
- おすすめの相談先:
- 社会福祉協議会「まもりーぶ」(最優先)
- 介護保険の申請(市役所)
- 認知症家族の会で情報収集する
このように、生活の具体的な困りごとに対応するサービスへシフトしていくことが大切です。家族だけで抱え込まず、公的なサポートを上手に活用しましょう。
🔴 後期段階「本格的な介護が必要に」
- 症状の例:一人での生活が難しい、夜間に外に出てしまう、家族の負担が大きい
- おすすめの相談先:
- ケアマネージャーとの相談(最優先)
- 市内介護施設の見学・検討
- 認知症家族の会で先輩の体験談を聞く
介護のプロであるケアマネージャーさんと密に連携し、本人と家族にとって最適なプランを立てていくことが、この段階では不可欠になります。
サポート選びで失敗しないための3つのポイント
たくさんの選択肢の中から、自分に合ったものを選ぶために、押さえておきたいポイントを3つにまとめました。
- 料金体系を理解する
- 無料のサービス:専門医相談、サポーター養成講座、家族の会
- 有料のサービス:社会福祉協議会(月700円〜)、介護施設(要確認)
- 減免制度アリ:生活保護や住民税非課税の世帯は、有料サービスの割引を受けられる場合があります。諦める前に必ず確認を!
- 予約の取りやすさを考慮する
- 予約が必須(で競争率高め):専門医相談は月1回だけなので、早めの連絡が吉です。
- 事前相談がおすすめ:社会福祉協議会や介護施設の利用を考えているなら、まずは電話で相談してみましょう。
- 自由に参加できる:サポーター講座や家族の会は、基本的に気軽に参加できます。
- 複数のサービスを組み合わせる
- これが一番のポイントかもしれません。富谷市で上手に支援を受けている方は、「専門医相談でアドバイスをもらいつつ、日々の生活は『まもりーぶ』に助けてもらい、悩みは家族の会で話す」というように、複数のサービスを組み合わせています。
これらのポイントを押さえて全体像を把握することで、より安心してサポートを選ぶことができますね。



なるほど! お金のことや予約のことも大事だね。サービスを組み合わせるって、賢い方法だ!



そうなの。一つで解決しようとせず、チームで支えてもらうイメージを持つといいかもしれないわね。
富谷市の認知症サポートの大きな特徴は、市役所や公民館、スーパーの近くなど、市民の「生活導線」の中に支援の窓口が組み込まれている点です。
泉中央駅周辺のような大規模な医療機関は多くありませんが、市役所で手続きをするついでに相談の予約を入れたり、買い物の帰りに講座に参加できたりと、日常生活に寄り添う形で支援を受けられるのが、富谷市ならではの強みと言えるでしょう。
まとめ
今回調べてみて、富谷市には認知症と共に生きる方やそのご家族を支えるための支援が、幾重にも用意されていることがよく分かりました。
専門医への相談から、日々の生活サポート、家族同士の交流の場、そして地域全体の理解を深める活動まで、多角的なアプローチがあるのは心強いですね。
大切なのは、たくさんの選択肢の中から、今の自分や家族の状況にぴったりの方法を見つけること。
この記事を通して情報を整理したことで、わたし自身も「もしもの時も、まずはここに相談すればいいんだ」という安心感を得ることができました。
今後は、それぞれのサービスについて、より詳しく掘り下げた記事も書いていきたいと思っています。ぜひ、そちらもチェックしてくださいね。



なるほど!一つだけじゃなくて、色々なサービスを組み合わせることもできるんだね。



そうなの。一人や家族だけで抱え込まずに、上手に市のサポートを頼ることが大切なんだよ。
編集後記
この記事をまとめている間、隣で聞いていたトミーが「オーマイガー!僕もサポーター講座に参加して、地域のヒーローになるよ!」と目を輝かせていました。
すると、宿題をしていた長女のひよりが顔を上げてひと言。「パパ、素敵だと思うけど、まずは講座で使われる日本語の勉強からじゃない?」と冷静にツッコミ。
それを聞いたトミーは「Oh…」と肩を落としていました。相変わらず、我が家はにぎやかです。
公式情報
- 富谷市役所
- 住所:〒981-3392 宮城県富谷市富谷坂松田30番地
- 公式サイト:https://www.tomiya-city.miyagi.jp/
これは公開情報の整理であり、個人の体験ではありません。
※本記事の店舗情報は公開時点で確認できた内容をもとにしています。最新情報は必ず公式サイトやGoogleマップ等でご確認ください。